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【 デジタルな世界 】

この世界に絶対的なものは何ひとつ存在せず、
全ては相対的でしかない。

世界は灰色であり、
黒と白を二元的に分かつ境界線はどこにもない。


だが、人は実世界に住んではいない。
皆それぞれの脳が構築した世界の中にいるに過ぎない。



 人は理屈で物事を考えているつもりでいるが、
絶対的な理論など存在しない。
なぜならば 世界がアナログだから。
それゆえ生物は 世界を記号に置き換える。
デジタルに処理できるように。

何かを判断するということは
絶対的な自分の基準をどこかに持つこと。
アナログな世界に有りもしない一線を引くということ。

この世界には善も悪も等しく存在しない。
だが生物である我々は
対象が自分にとって有益なのか害悪なのかを
絶対的に判断しなければならない。

そうした判断は理論ではない。
いや、判断とは全て感情なのだ。


自分が何かを判断したとき、
その理由を考えてみる。

己に対して なぜ、なぜ、なぜ ・・・ と。

それの行き着くところは結局、
自分の好き嫌いという揺るがぬ二元論。

それこそが、己にとって絶対的な デジタルな基準。
人のそういう判断基準は幼児期までに大半が決定されてしまう。

だから三つ子の魂百までと言う。

我々は生物に過ぎない。
人間の理性など絶対的な理論の上に成り立ちはしない。


それが 人間の限界である。



02.3.17

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