＞　論考

微々たる刺激では 吸収され緩和されてしまう
だから慎重にならざるをえない
差異のあるところ 差異を埋めようとして動きが生じる
そしてエントロピーは増大し続ける
下手を打てば順当な流れを加速させるだけで終わるだろう

この世界は記号でできている
逃避する者達の詭弁を私はもう聞き飽きた
だからこそ この物語は紡がれる
トートロジーの円環とパラドクス 確実な未来という矛盾
プログラムを無効化するプログラム･･･
強大なる差異によってベクトルを反転させること･･･

けれどもそれは不確実性の上にアンビバレントな矛盾を孕む
思考は言葉で具象化された瞬間に死ぬ
これは相対化それ自体を絶対化する物語、
そして可能性を得るために可能性を摘み取る物語･･･
そこに一抹の不安を抱かずにはいられない
創造のための破壊などと言う道理もない
破壊は虚無へと収斂し、創造は混沌へと拡散しゆく
破壊のあとに創造が行われるものなのか、それは誰にもわかりえない
だがその不確実性ゆえにこそ語りうる確実なことがある


世界それ自体に矛盾を体現させる事でそれは露呈するだろう
選びうる道はふたつにひとつ
どちらの目が出ようともこのゲームは終わる

そして この物語はそこに帰結する